パワハラ110番

人事部ってどんな部署?

ネットでパワハラに関する解決法を探していると、
「人事部に相談してみては?」とか「人事部に直訴しましょう」
…といった記述をよく見かけます。

 

でも、なぜパワハラ問題=人事部なのでしょうか?
そもそも、人事部とはどんな役割を持つ部署なのか…。

 

人事部というと、
「人の採用や異動に関する仕事をしているところ」
というイメージが強いという方がほとんどなのではないでしょうか。
もちろん、それらの仕事も間違いではありません。
しかし、人事部にはその他にも「人員計画や昇給・賞与の策定」、
「労働時間管理・勤怠管理」、
「社会保険業務(健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)」
「福利厚生業務(寮・社宅管理等)」「労働組合との交渉業務」…等々、
“人”に関する業務がたくさんあります。

 

ざっくりと一言でまとめてしまえば、「個人の処遇を決めること」
人事の仕事と言っても過言ではないでしょう。

パワハラ上司の処遇は人事頼み!?

ご紹介した通り、人事部のメイン業務は“人の動き”に関すること。
だからこそ、パワハラを相談するなら人事部なのです!

 

勘の良い人ならもうお分かりでしょう。
パワハラが発生した場合、加害者である上司を
「左遷するのか?」「降格するのか?」「懲戒免職にするのか?」
…その処遇を調整するのは人事部だからです。

 

また、「事をおおごとにしたくない」という場合なら、
パワハラの被害者と加害者を別々の部署に異動させるという方法もありますよね。
その場合も、人事部がうまく取り計らってくれるハズです。

 

派遣さんの場合でも、契約書の「苦情申し立て先」の欄には
人事部の担当者名が記載されているケースが多いと思います。

 

「パワハラを受けた⇒耐えられない⇒辞める」
という図式になってしまいがちですが、
「パワハラを受けた⇒人事に相談した⇒
嫌な上司が別の部署に飛ばされた⇒会社に行くのが楽しくなった♪」
という前向きな解決策もあることを覚えておいてください。

人事部に相談する際の注意点

パワハラを受けた際の解決策として、
人事部に相談するという方法があります。

 

しかし、人事部もやはり会社という組織の中の一部。
被害者“個人”よりも、会社全体を優先して考える傾向があるのは
仕方がありません。

 

例えば、被害者側としては
「上司を異動させてもらうか自分をどこかに移してもらうか」
希望していたとします。
しかし、会社全体のバランスを考えた場合、
どうしてもそれが難しい場合もあるのです。
…大人の事情というヤツですね…(笑)。

 

そんな場合は、被害者の状態が一つの判断基準になるようですね。
例えば、うつ病や自律神経失調症などで診断書が出ている場合は
組織より“個”を優先する可能性もアリです。
会社側としても、訴えられて企業イメージがダウンするような事態は
避けたいハズですからね…。

 

しかし、話し合いや部内調整で決着がつく程度だと判断されてしまうと、
会社の事情を優先することになるでしょう。
人事部経由で、パワハラ上司との
話し合いの席を設定されることになるケースが多いですね。

 

その場合は、もう「この際どうにでもなれ!」ってくらいの気持ちで、
思ったことを正直に話しましょう。

 

どうして自分だけ無視されるのか?
なぜ、無理だと分かっているノルマを課せられるのか?
または、なぜ自分だけ全く仕事を与えてもらえないのか?

 

納得いくまで話しあって、それでもパワハラ行為が改善しないようなら、
そんな会社は辞めてしまったほうが良いのかもしれません!