パワハラ110番

モラル・ハラスメントを知っていますか?

パワハラ,モラハラ

今や、“セクハラ”や“パワハラ”という言葉を
「知らない」という人はいないと言っても過言ではないでしょう。

 

では、モラル・ハラスメント(=モラハラ)はどうでしょうか?

 

「言葉自体は聞いたことがあるけど、意味はよく分からない」
という方が多いのでは?

 

セクハラ、パワハラ、モラハラの3つは、
“全く別モノ”というわけではありません。
ハラスメントという意味では同じで、重なる部分もあるんです。

 

例えば、会社の上司が自分の権力を利用して部下に嫌がらせを行った場合、
その行為はパワハラでもありモラハラでもあります。

 

しかし、もしも、立場が下の部下が
上司にいじめや嫌がらせ行為を行ったとしたら、
それはモラハラではあってもパワハラではありません。

 

メディアではパワハラやセクハラばかり取り上げられている感がありますが、
実はモラハラだって大きな問題なのです。


モラハラという言葉はいつ生まれたの?

そもそも、「ハラスメント」という言葉には
「不愉快な嫌がらせ」といった意味があり、
日本では歴史の浅い単語です。

 

パワハラ、モラハラはその言葉の提唱者も別々で、
明確に区別されていない部分もあります。

 

パワハラは、日本で生まれた和製英語ですが、
モラハラは海外で生まれた言葉。
モラル・ハラスメントとは、言葉、態度、文書などによって
継続的に人格や尊厳を傷つける精神的ないじめ・嫌がらせです。
1990年代の後半に、フランス人の精神科医
マリーフランス・イルゴイエンヌによって生み出された言葉です。

 

この言葉の中には、嫌がらせ行為が持つ陰湿で微妙な精神の動きを
うまく表現されています。
パワハラという言葉だけでは説明しきれないネチネチした感じ…
みなさんもなんとなくわかりますよね??

 

みなさんの会社でも、「これって大丈夫なのかなあ?」と
気になる人間関係はありませんか?
パワハラとは言えないにしても、
無礼な言葉や態度で他人の人格や尊厳を傷つける…
これ、モラハラですよ!

 

本人が聞いていると分かっているのに、
わざとコソコソと悪口や嫌味を言ってみたり、
上司が気にしているコンプレックス(頭髪の問題が多いかもしれませんが…)
を大きな声で揶揄してみたり。

 

同僚⇒同僚、部下⇒上司、
モラハラはどんな人間関係の中でも起こりえる問題なんです。

モラハラの特徴とは?

パワハラがどんな行為か、みなさんももうご存知ですよね?
部下を大声で怒鳴ったり、人前で責めたりなど、周りからみても
「明らかにやりすぎ!」と分かりやすいケースが多いのが特徴です。

 

どんなに鈍い人でも、同じ部署でパワハラがあれば気づくハズ。
そのため、被害者自身だけではなく、
周りの人がそれを指摘して問題が解決することもあります。

 

しかし、モラハラはそういきません。
モラハラの特徴は、静かに&陰湿に行われる行為であること。
例えば、「無視」、「わざとらしい咳払い」
「相手を見下すようなしぐさ」…。
周りから見て、気づかない人は素通りしてしまうような行為ばかりです。

 

そのため、同じ部署にいながらも
モラハラがあることに気付かない人さえいるのです。

 

しかし、こういったモラハラが継続的に続けば、
被害者の心は深くえぐられます。
モラハラ被害者の特徴は、
「自分がいじめられた」「相手を許せない」と思うのではなく、
「自分はダメな人間なんだ」「自分なんて誰にも相手にされない」
…と自罰傾向が強くなるということ。
自分で自分を信じられなくなり、徐々に心が衰退していくのです。

 

あなたの周りは大丈夫?