パワハラ110番

こんな行為はNG!パワハラ行為の具体例

どのような行為がパワハラに該当するのか?雑誌の特集記事やネットのサイトなどには様々な例が掲載されています。怒鳴る、侮辱する、無視する、暴力を振るう…などというのは序の口で、専門性の高い知識や技能を使った非常に巧妙な嫌がらせもあります。どんな職種にも通ずるレベルのハラスメント行為から、特定の業種に限られた特殊なハラスメントまで。それはもう、多種多様です。
それらのパワハラ行為を非常に分かりやすくカテゴライズしているのが、臨床心理士の涌井美和子氏が提唱した分類法です。涌井氏は、「その行為が第三者から見てどのように見えるか」という観点から、パワハラ行為を次の3つのカテゴリーに分類しています。

 

カテゴリー@

  第三者から見ても明らかな行為

  • 無視したり、明らかに冷淡な態度をとったりする
  • 嘲笑したり、「お前なんて役に立たない」「給料泥棒」などと侮辱したりする
  • 馬鹿にしたり皮肉を言ったりする
  • 身体的な暴力を振るう
  • 大声を出し、物にあたったりする
  • 他の社員の前でわざと怒鳴りつける
  • 相談や意見を常にはねつける
  •  

    カテゴリーA

      第三者から見て分かりにくいが、加害者の意図が明らかな行為

  • わざと孤立させる
  • 業務上必要なコミュニケーションを避ける(電話やメールを無視する)
  • 意図的に過重労働に追い込み、納期に間に合わなければ厳しく非難する
  • 他人のミスの責任を負わせる
  • 責任逃れをする
  • プライベートの時間帯に、自宅や携帯電話に不必要な電話をかける
  • 不適切な業務分担を行う(明らかに多いor少な過ぎる)
  • 根拠のない噂を広める
  • 不当に職位や権限を奪って降格させる
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    カテゴリーB

      第三者から見て分かりにくく、加害者本人も自覚がない行為

  • 何度も一方的にミスを厳しく非難する
  • 業務を常に監視する
  • 業務を遂行する上で必要な情報や知識、許可(決裁等)サポートを与えない
  • 極端に低い評価をつけたり、業績を過小に評価したりする
  • 病欠や有給休暇の許可を与えない
  • 残業や深夜労働、休日出勤を強要する
  •  

    このカテゴリーのうち、最も厄介なのはBではないでしょうか。この場合、加害者本人はあくまでも業務上の教育や指導の一環のつもりでいる場合が多いため、パワハラ問題が持ち上がると双方の意見が大きく対立します。特に、このタイプのパワハラはいわゆる“デキル上司”に多いため、会社側も100%被害者の味方になってくれるとは限りません。
    また、肉体労働がメインの現場作業でも、少々荒っぽい指導が当たり前になっているために自分自身の行為がパワハラであることに気づけない人が多いようです。

     

    しかし、社風や組織の雰囲気がどうであれ、上述のような行為は明らかなパワハラ行為です。一旦、問題になれば、普段は威張り散らしている行為者側はたちまち不利な状況に立たされることになるでしょう。