パワハラ110番

課長は聞く耳を持たない

2011年12月16日(金)
市内某所にて送別会開催。会場までは小池さんの車に同乗した。こういう集まりを開くことが出来てよかったと礼を言う。
幹事である小池さんが挨拶。なぜここに集まることになったのかを皆が知っている。だから小池さんもあえてそのことには触れない。
私の向かいの席は伊藤さんだった。これまでの非礼を詫びて、「会社の上層部に上司を訴えるとしたら、自分のことばかりでなく、伊藤さんや坂田さんが受けた仕打ちに関しても伝えるつもりだ。よかったら私が書いた記録を見て欲しい。同様に伊藤さんや坂田さんも今まで何があったか詳しい経緯を文章にして欲しい」と話した。伊藤さんは退職するまでに手紙でも書くと言った。
食事のあと、皆で記念撮影をした。この日のことを忘れまいと思った。

 

一次会でおよそ半数は帰った。二次会の席で小池さんがいろいろ聞かせてくれた。
小池「あの子たち(伊藤さん・坂田さん)から色々聞いたわよ。青田さんの言い分だけを証拠にしていじめの加害者みたいに決め付けられたうえ、反論もできなかったっていうじゃない。このまま辞めさせるわけにはいかない。せめて最後に言いたいこと言わせてやりたかったわけよ。だから課長を呼びつけたわけよ。」
私「呼びつけた?いつ?どうやって?」
小池「11月末だったかな。会議室が空いてることを確認してからね、課長を呼んだのよ。私が呼んでも来ないかと思って技術部の大芝さんの力を借りたの。で、技術部の大柴さんが課長に話があるからって言ってくれたの。いざ会議室に来たら課長、目が点になってたわよ。大柴さんだけでなくて、私と伊藤さんと坂田さんがいるんだもんね。で、すぐに状況を飲み込んだみたいよ。」
私「よく大柴さんが手伝ってくれましたね。」
小池「だって大柴さんあたしのダチ(友達)だもん。あまり熱くなっちゃいけない、冷静に話そうと思ってたんだけど、いざとなると頭に血がのぼって駄目だったわ。でもあたし、言いたい事は言ったし、あの子達にも言わせたわよ。青田さんがどれだけ性根くさった女か。上司の見てるところでだけ仕事頑張ってますみたいなアピールしてみたり、ゴマすりしてみたり、他人を陥れる為には嘘つくのも厭わない性格だってことをね。そりゃ課長、最初は聞く耳持たなかったわよ。でもあいつ(大柴さんのこと)いい仕事してくれたわよ。課長を引き留めて、まあ、彼女らの言い分も聞いてやってくれよって感じで。あたしらの話の要所要所で『そりゃいかんなあ』とか相槌打ってくれたりして。で、あたしも『青田さん同様に派遣から契約に内定したもう一人のことは誰も悪く言わないじゃないの。でも青田さんに関しては悪い話これだけぼろぼろ出てくることをどう思うのよ!』って言ったらそれがとどめになったみたいよ。課長、『そうか…なら今後青田さんに対する見方を変えるべきかなあ…』だって。まあ、どこまで本心かわからないけど。」
私「青田さんに関しては私もちょっと気になってたなあ。最近、江川さんから手順書改定、青田さんにも手伝ってもらうようにと言われたから、少しお願いしたんだけど、Wordの基本操作もよくわかってないのよ。で、しょっちゅう質問されるから自分の仕事はなかなか進まなくて…。『柳田さん、正直言って私あまり、こんな仕事したくないんですよ』とかぶつぶつ言うから、江川さんに青田さんにこの仕事は無理だって言ったの。そしたら江川さんは『あら、青田さんは出来るって言ってたわよ』だって。いったい手順書関連の仕事、やりたいのかやりたくないのかどっちよ!」
小池「面倒なことはやりたくないくせに、上司の前ではやる気をアピールしたいだけよ。いつもそうなんだから。あんた、今更彼女のそんなところに気がついたの?鈍いわ。で、柳田さんの知らないところで、『私、手順書改定も手伝えるようになったんです』とか自慢げに言ってたわ」
私「はあ…。なんか勘違いしてない?ところで彼女、副業でマルチ商法(ア●ウェイ)やってるって噂聞いたけど、本当?」
小池「ガチ(本当)よ。真っ黒。充填グループの荒城さんや派遣の岡元さん相手に勧誘したって。」
私「課長、そのことも知らないのかなあ。」
小池「知らないと思うわよ。でも、知ってたとしてもかばうんじゃないの。かなり青田さんのこと気に入ってるみたいだから。」
私「アフターファイブに何やろうと勝手だけど、職場で副業はいけないなあ。同僚を勧誘するってことは同僚を金づるとして見てるってことじゃない。それってどうなの。課長、私には『おまえのその性格をなんとかしろ。いくら仕事頑張ろうとそのままだと賞与の査定下げるからな』とか言うくせに青田さんのそういう面は気にしなかったりして。」
小池「そんなこと言われたの?やっぱりあの課長、おかしいわ。」
その後も皆で課長に対して思うことをあれこれ話し続けた。帰宅は午前様となった。

 

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