パワハラ110番

上司と戦いが始まった

そしてとうとう、この嫌がらせの人事異動が行われた次の日の朝礼の司会の順番が私であったので、「多くの経済学者が、人材という財産に高い評価をもって様々な経済論を展開する時代に、人材をおろそかにする会社に未来など存在しない」「パワハラは経済テクノロジーの分野で、それがいかに生産性がなく企業に損害を与えるものだと認められたからこそ禁止されているのだ」とその朝礼で発言して、私と上司との戦いは始まったのです。

 

人間はとても弱い生き物ですから、小さないじめ・嫌がらせ・ワイロ・陰口様々な裏の心を抱えて世の中を渡り続けるのは仕方のない事なのかもしれません。しかし、この上司三人およびこの会社は社員一人の生活などどうでもよいのだという事がはっきりしていながらも、入社したばかりで行動を起こせない自分への歯がゆさにいらだち続けましたが、やっと自分の心にスッキリする事が出来たのと、42での再就職を無駄にしたという思いをしないためにも、私の知る限りの方法で身を守りながら会社の体質改善を一人で訴えていく事を決意したのは、私が生まれてきた意味を考えるほどの、私にとって大事な行動でした。

 

その次の日でも変わらず上司のパワハラ朝礼は行われましたから、私はその上司三人に話があると9階にある個室に移動してこう伝えました。
「今日の朝礼の内容もパワハラにあたります。特に特定の社員の成績に対する大勢の面前の前での叱責は悪質ですから即刻やめてください。」と伝えると、「どこがパワハラなんだよ!ここは営業会社なのだから、パワハラなんか関係ないに決まっているだろう。嫌ならばやめて他の会社に行け」と言われたので、「パワハラは立派な違法行為であり、私は昨日の朝礼で、全社員の前でそれを指摘した事に対してあなた方がそれを無視するのならば、私と会社は紛争状態となります。その違法行為の責任は事業者である社長が負う事になる事をよく考えてはいかがですか?」と伝えると三人とも黙ったままになりました。

 

しかし次の日からの会社の行動は、課長の言葉からはパワハラ発言は一切消えたが、代わりに主任のパワハラが度を増すというおそまつな状態となり、私にだけパワハラを行わずに、抵抗しない社員への減給強要や退職強要は変わらず毎月続けられるという様な事になりましたから、この上司たちは私の言っている事がまったく理解できていないのだなと思い、毎朝の朝礼の録音を始めました。

 

もうひとつ三人の上司に伝えた内容があるのですが
「今回私があなた方のパワハラを指摘したことで、今後一切成績は上がらなくなりますから、違法でない精神論以外のまともな営業を考えた方がいい。我々現場側はその方法をいくらでも知っている」という事を、多分理解できないだろうと思いながらもしっかりと上司に伝えました。
社会主義国での恐怖政治からの解放の際に必ず起こる経済悪化と同じように、私が会社の行為を違法行為と声に出して指摘した事により、パワハラの抑え込みによって挙げられていた契約数は一挙に落ち込み、H24 2月の現在でも回復する気配はありません。

 

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