パワハラ110番

会社でのいじめ 私の体験談4 「集団心理」

会社で働くと、集団意識が強くなります。集団から外すことを制裁としようとします。そして、とばっちりを受けたくないために、制裁をうけている人間にはなるべく近づかないようにしようという気持ちが働きます。制裁を受けている人に対して個人的な恨みはなくても、面倒なことに巻き込まれたくないので近づかないようにしたいのです。

 

去年の秋ごろのことです。勤続4年目以降の派遣社員を対象に、正社員採用試験が実施されることになりました。正社員になることは損なのか、得なのか。受験資格のあるベテラン派遣社員たち約10名は、社内メールで連絡を取り合って、会社帰りにファミレスへ集合し相談することになりました。

 

メールは、私のところにだけは届きませんでした。私だけ呼ばれなかったのです。
会社帰りに廊下で皆が集まっているのを見て「私は本格的に嫌われているのだな」と感じました。私だけ呼ばなかったということは、彼女たちが私に与えた制裁であることは明らかです。集団から仲間はずれにされることには慣れっこになっていましたから、それほど大きなショックは受けませんでした。それでも、集団から除外されることを気持ちよく感じたわけではありません。

 

ただし、もしその集まりに呼ばれたとしても、私は行かなかったでしょう。だから、私を呼ばなかったことは彼女たちにとって正解だったのかもしれません。少し迷いましたが、ひとり帰宅するために、彼女たちが集まっている廊下を足早に横切りました。本当は、近くを通りたくなかったです。わかっていることとはいえ、仲間はずれにされていることを認めるのは辛いことです。なぜ私は皆と仲良くできないのだろうか、なぜ集団の中でうまくやっていけないのかと自分を責める気持ちでいっぱいになりました。私の気持ちは揺れていましたが、おそらく彼女たちの目には、平気な顔をして帰っていったように映ったでしょう。

 

彼女たちは、私に制裁を与えても無反応だから、そこが気に入らないそうです。そう言っているのを耳にした同僚が教えてくれました。彼女たちには無反応に見えても、私はけっこう辛い思いをしていたのです。落ち込むこともありましたし、ときには泣きたくなることもありました。感情を隠しているわけでも、強がっているわけでもありませんでしたが、彼女たちには無反応に見えたようです。私が会社を辞めずに来ていることも、辛く感じていない印だと思っていたのかもしれません。でも、人の気持ちなんて、外からは決して推し量れるものではないのです。

 

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