会社でのいじめ 私の体験談3 「噂が噂を呼ぶ」
私に対して良からぬ噂が流れている。そう感じ始めたのは、休憩時間を一人で過ごすようになってから、約1年経ったときのことです。会社の人たちが、なんとなく冷たいのです。それまで気さくに話しかけてくれていた人も、急によそよそしくなりました。私から話しかけても、どことなくそっけないのです。あまり話したことさえない人から、すれ違っただけで睨まれることもありました。
どうもそのころから、私に対するさまざまな噂が流れていたようです。すべての噂を聞いたわけではないですし、聞いても落ち込むだけなので聞かないようにしてきました。それでも意に反して、噂のうちのいくつかは私の耳に無理やり入ってきました。そうした噂の中の一つに、びっくりさせられるような内容のものが含まれていました。
なんと私が、いじめグループのボス格の人物に、悪質な嫌がらせをしているというのです。「ボスが私に」嫌がらせをしているのではありません、「私がボスに」嫌がらせをしているのだそうです。その嫌がらせの内容が、実にお粗末です。私がボスの本名とメールアドレスを勝手に使って本人になりすまし、出会い系サイトでチャットをしているというのです。ある日を境に、ボスの携帯へ知らない男性から「昨日のチャットは楽しかったね」という内容のメールが続々と送られてくるようになりました。その犯人が私なのだそうです。
なぜ私が犯人なのかはわかりません。もちろん、私には身に覚えのないことです。だいたい、グループと関わりたくないから離れようとした私が、なぜわざわざそのようなつまらない嫌がらせをする必要があるのでしょうか。事実無根で、根も葉もない作り話です。私に非があることを言われるならまだしも、事実無根の噂話を広げられるのはたまりません。
それでも、急につめたくなった人たちは、そのお粗末な噂を信じているのでしょう。そんなつまらないいやがらせをするほど、私はいじめグループのボスに興味はないのに、と思いましたが、会社の人の中で私の話に耳を傾けてくれる人はいません。がっかりして、私を育ててくれた両親にも申し訳ないような気持ちになりました。しばらく落ち込んでいました。今でもそれを信じている人がいるとするならば、実に残念です。しかし、私にはどうしようもありませんでした。ただ屈辱に耐えるのみです。会社を見渡し、一人一人の顔を見回しながら、あの人も、そしてあの人も私を「そんな人」だと思っているのかなぁなんて考えると悲しくなりました。
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