パワハラ110番

パワハラが“うつ”を引き起こす?!

仕事や職場での人間関係に強い不安やストレスを感じることはありませんか?
適度なストレスやプレッシャーは
仕事に対するモチベーションUpにも欠かせないものですが、
長期に渡って強い不安・ストレスにさらされると、
人の心身は参ってしまいます。

 

特に最近は、セクハラやパワハラといった“ハラスメント”で
心身のバランスを崩す人が増えているのだとか。

 

 

心の病と言えば真っ先に“うつ病”を思い浮かべる方が多いと思いますが、
パワハラがうつ病発症の原因になっているケースも多いのです。

 

このような現状を踏まえ、厚生労働省の専門家検討会では
「うつ病などの精神疾患が労災に当たるかどうか」
判断指針が見直されました。(2009年3月)

 

その結果、新たに、
パワハラを最も重いストレスとして追加することが盛り込まれる運びとなったのです。

 

…とはいえ、うつ病の原因を全てパワハラに帰するのは間違っています。
うつ病は、当人の性格や成育歴、環境など
複数の要素が複雑に絡みあって発症する病気ですので、
原因の特定には慎重にならなければなりません。

 

会社を休みがちになって、やがてうつ病で休職…という場合、
ともすれば「上司からのパワハラが原因か!?」と短絡的に考えがちですが、
上司や関係者の話なども踏まえて総合的に判断する必要があるのです。

私ってうつ病かも!?

ところで、うつ病ってどんな症状が出るかご存知でしょうか?
その病名だけはよく耳にしますが、具体的にどんな風になるのが
「うつ」と呼ばれる症状なのかよく分からないという方も多いのでは?

 

うつ病を疑われる症状は以下の通り。
「もしかして…」と思ったら、
専門医(精神科、心療内科など)を受診しましょう。

 

●朝、早く目が覚めるようになった

 

●朝、起きた時から気分が沈み込んでいる

 

●オシャレに関心が湧かなくなった

 

●仕事、プライベート、全てに対してやる気がない

 

●集中できない

 

●できれば人に会いたくない

 

●不安感から、イライラしたり焦ったりする

 

●いっそこの世から消えてしまいたい

 

●何をしていてもつまらない

 

●性欲や食欲がない

 

●頭が重い または痛い すっきりしない

 

●わけもなく悲しくなって涙ぐんでしまうことがある

 

【参考ページ】病院検索もできます!
「ここカラダ」

 

 

httpパワハラが原因のうつ病も労災認定へ!

2009年4月、精神疾患や自殺に関する労災認定の判断基準が見直されました。
これにより、職場でのパワハラによるストレスも、
労災認定判断の査定項目に加えられる運びとなったわけ!

 

これまでは、「パワハラによるうつ病は立証が難しい」とされ、
労災と認定されないケースも多かったのです。
今後は、パワハラが原因でうつ病などの精神疾患を発症した人も、
労災と認定されるケースが増えてくると予想されます。

 

そもそもパワハラとは、 職権などの“パワー”を背景にして
他者の人格と尊厳を傷つけるとんでもない行為。
直接的な暴力から、暴言、無視などさまざまなタイプがあり、
いずれも許されるべきものではありません。

 

ともすれば、「自分がダメだからだ」
「自分は仕事ができないからだ」
「自分なんて価値のない存在だからいじめられても仕方ない」
…と思い詰めてしまいがちですが、それは違います。
たとえ職場の上司であっても、あなたの人格を傷つける資格はないのです。

 

職場でのパワハラで強いストレスを感じたら、
とにかく1人で悩まずに相談することです。
友達、同僚、先輩、家族、社内の相談窓口、労働組合、
労働局の総合労働相談コーナー、地域の男女共同参画センター…等々。

 

心のケアはもちろんですが、
パワハラ加害者に対して泣き寝入りしないための方策など
様々な情報を身につけておくことも必要です。

 

★What’s 「労災」?★
労災とは、仕事中または通勤途上で、負傷 、疾病 、障害 、死亡 する災害 のこと。
管理者が業務上過失致死傷罪などの刑事責任 を問われるケースもあります。
労災は全ての労働者 (アルバイト パート を含む)に適用されますが、
公務員 、船員 については対象外。
公務員は国家公務員災害補償法 、
船員の場合は船員保険 (運営主体:政府)に基づいた対処がなされるためです。