パワハラ110番

“正規”“非正規”を超えたパワハラ

今の時代、正規・非正規社員の別を超えて、
誰もがパワハラの被害者・加害者となる可能性があります。

 

会社によっても異なりますが、
日常の業務の中では正社員と派遣社員の間に
線引きをしていない会社も増えているようです。
差があるのは、給料の面や教育体制の面だけ。
あとはほとんど同じ扱いで、誰もが平等にチャンスを与えられる…。

 

そう聞くと、「派遣」という言葉から連想しがちなマイナスのイメージも
払拭されるような気がしませんか。

 

ところが、必ずしも良いことばかりではないんです。
正社員とほぼ同じ土俵に立たされたことで、かえって
上司からのパワハラ・ターゲットにされてしまうケースもあるんです。

 

例えば、「派遣のくせに生意気だ」
「お前は派遣なんだから、俺達の10倍は働いてもわなくちゃな」
「やっぱり派遣だから仕事もテキトーだな」
「派遣だからって容赦しないぞ。甘えんな」
「お前なんてさっさと派遣ギリしてやる」

 

…などと、派遣であることを理由に
人格を傷つけるようなパワハラ発言を連発する上司。

 

雇用形態の境界がなくなりつつあるとは言っても、
やはり多くの現場には根強い「派遣差別」が存在しているようです。

 

まずは誰に相談すべき?

派遣先でパワハラの被害に遭った場合、まず真っ先に相談して欲しいのが、
派遣会社の営業さんorコーディネーターです。

 

コーディネーターとは、あなたに仕事を紹介してくれた担当者のこと。
「この人はこういうスキルを持っているからこの会社が合うんじゃないかな」
と1人1人に合った仕事を考えてくれる人です。

 

彼らの仕事は、「あなたに仕事を紹介して終わり」ではありません。
派遣したスタッフが、派遣先企業で
生き生きと働けるためにサポートをすることこそが、
彼らの最大の任務なのです。

 

そのため、もしもあなたがパワハラ行為を受けて悩んでいる場合、
その状況をどうにかして改善する義務があります。
派遣先企業とあなたの間に入って、
労働環境を改善するための交渉を行ってくれるハズです。

 

遠慮をせずに、まずは相談してみましょう。

派遣先の担当者に相談してみる

派遣先の会社でパワハラ被害に遭った場合、
まずは自分が所属している派遣会社の担当者に相談するのが一般的。
しかし、派遣会社によっては頼りにならない会社もあります…(笑)

 

社員の入れ替わりが激しい派遣業界では、
入社したばかりの新人が営業担当になっている場合もあります。
大学を卒業したばかりのヒヨッコにパワハラの相談を持ちかけたところで、
結果は目に見えていますよね…。

 

そんな時は、派遣先の担当者に相談してみましょう。
派遣契約を結んだ時に、
労働条件について記載された契約書をもらっているハズです。
この契約書には、「苦情申し立て」という欄があるハズ。
たいていの場合は、人事部の担当者の名前が書かれていると思います。

 

その人には、あなたの苦情を聞く義務があります。
「部長からのパワハラで悩んでいるけど、同じ部著の人には言いづらい」
という場合は、
この「苦情申し立て」担当者に相談してみると良いでしょう。

 

企業にとって派遣労働者は、いわば「借り物」。
人さまの会社から借りた物に傷を付けて返すわけにもいきませんので、
「上司を変える」「部署を変える」
など何らかの対処法を講じてくれるハズですよ!