“組合”とは?
「組合の力が強い」「組合による賃金の交渉で給料が底上げした」
…なんて話を耳にしたこと、ありませんか?
正社員の方にとってはおなじみの言葉ですが、
派遣さんやバイトさんの中には
「組合ってよく聞くけど、一体何なの?」
…と、不思議に思っている方も多いかもしれません。
組合とは、労働組合(ろうどうくみあい)を略したもの。
賃金労働者が、その労働環境を維持したり
改善したりするために結成する団体のことです。
“労組”(ろうそ)や“ユニオン”と呼ばれることもあります。
日本の場合は、複数の労働者が組合結成に合意すれば
労働組合を結成することができます。
労働条件について、従業員それぞれが
バラバラに会社に交渉したとしても、
なかなか改善には結びつきませんよね。
その点、組合があれば、職場のさまざまな問題について
会社側と対等な立場で交渉することができるのです。
もちろん、パワハラ問題も然り!
パワハラが横行する会社の体質を、
組合の交渉で是正することも可能です。
労働組合にできること
組合は、労働者が集まって
好き勝手な主張をしているだけの組織ではありません。
労働組合の権利は憲法で保障されているのです。
「労働三権」って学校で習いましたよね?
労働三権とは、「団結権」、「団体交渉権」、「団体行動権」の
3つの権利を言います。
これらの権利はNPOや市民団体などには認められておらず、
労働組合のみが与えられているのです。
そのため、パワハラの撲滅に関しても組合は絶大な力を持っています。
例えば、以下のような取り組みが挙げられるでしょう。
●相談窓口を整備する
●内部通報制度を機能させる
●アンケート調査の実施により、パワハラの実態をつかむ⇒
会社側への交渉材料として利用
●パワハワ防止を目的として、管理職必修の
企業内研修会を企画・実施する
●就業規則や労働協約に、
“パワハラに対する規制”を条文化することを会社側に要求する
パワハラ行為に費やす時間は、それだけ業務が遅れることにもなり、
人件費のムダ使いになります。
しかも、パワハラが原因で休業者が出たとなれば、
これも企業コストの増加となり
企業側にとっても全くメリットがありません。
ゆえに、「もっとパワハラ問題に積極的に取り組むべき!」
…と、会社側に体質の改善を求める組合もあります。
組合の存在にはこんなメリットがある!
組合は、労働者にとって働きやすい環境を作るために
なくてはならない組織。
しかし、会社側にとっても様々なメリットがあります。
【組合員=労働者にとってのメリット】
★不満や苦情を会社側に伝えやすくなる
★賃金・労働時間など、労働条件が改善される
★パワハラや不当な解雇、リストラなどの問題が解決し、
雇用が安定する
★会社の経営情報を逐一知ることができ、不安が解消される
★会社側とトラブルになったとき、バックアップしてもらえる
【会社側にとってのメリット】
★従業員のモチベーションがUPし、業績も上がる
★会社を改善するために必要な従業員の生の声を知ることができる
★会社内で起きている問題を把握することができるため、
早めの対応が可能となる。⇒
結果として、コンプライアンスの向上が期待できる。
★パワハラ問題など、労働者個人とのトラブルが起こりにくくなる。