パワハラ110番

“組合”とは?

「組合の力が強い」「組合による賃金の交渉で給料が底上げした」
…なんて話を耳にしたこと、ありませんか?
正社員の方にとってはおなじみの言葉ですが、
派遣さんやバイトさんの中には
「組合ってよく聞くけど、一体何なの?」
…と、不思議に思っている方も多いかもしれません。

 

組合とは、労働組合(ろうどうくみあい)を略したもの。
賃金労働者が、その労働環境を維持したり
改善したりするために結成する団体のことです。
“労組”(ろうそ)や“ユニオン”と呼ばれることもあります。

 

日本の場合は、複数の労働者が組合結成に合意すれば
労働組合を結成することができます。
労働条件について、従業員それぞれが
バラバラに会社に交渉したとしても、
なかなか改善には結びつきませんよね。

 

その点、組合があれば、職場のさまざまな問題について
会社側と対等な立場で交渉することができるのです。

 

もちろん、パワハラ問題も然り!
パワハラが横行する会社の体質を、
組合の交渉で是正することも可能です。

労働組合にできること

組合は、労働者が集まって
好き勝手な主張をしているだけの組織ではありません。

 

労働組合の権利は憲法で保障されているのです。

 

「労働三権」って学校で習いましたよね?
労働三権とは、「団結権」、「団体交渉権」、「団体行動権」
3つの権利を言います。
これらの権利はNPOや市民団体などには認められておらず、
労働組合のみが与えられているのです。

 

そのため、パワハラの撲滅に関しても組合は絶大な力を持っています。
例えば、以下のような取り組みが挙げられるでしょう。

 

●相談窓口を整備する

 

●内部通報制度を機能させる

 

●アンケート調査の実施により、パワハラの実態をつかむ⇒
会社側への交渉材料として利用

 

●パワハワ防止を目的として、管理職必修の
企業内研修会を企画・実施する

 

●就業規則や労働協約に、
“パワハラに対する規制”を条文化することを会社側に要求する

 

パワハラ行為に費やす時間は、それだけ業務が遅れることにもなり、
人件費のムダ使いになります。
しかも、パワハラが原因で休業者が出たとなれば、
これも企業コストの増加となり
企業側にとっても全くメリットがありません。

 

ゆえに、「もっとパワハラ問題に積極的に取り組むべき!」
…と、会社側に体質の改善を求める組合もあります。

組合の存在にはこんなメリットがある!

組合は、労働者にとって働きやすい環境を作るために
なくてはならない組織。
しかし、会社側にとっても様々なメリットがあります。

 

【組合員=労働者にとってのメリット】

 

★不満や苦情を会社側に伝えやすくなる

 

★賃金・労働時間など、労働条件が改善される

 

★パワハラや不当な解雇、リストラなどの問題が解決し、
 雇用が安定する

 

★会社の経営情報を逐一知ることができ、不安が解消される 

 

★会社側とトラブルになったとき、バックアップしてもらえる

 

【会社側にとってのメリット】
★従業員のモチベーションがUPし、業績も上がる

 

★会社を改善するために必要な従業員の生の声を知ることができる

 

★会社内で起きている問題を把握することができるため、
早めの対応が可能となる。⇒
結果として、コンプライアンスの向上が期待できる。

 

★パワハラ問題など、労働者個人とのトラブルが起こりにくくなる。