パワハラ110番

統計ってどんな方法?

セクハラ、パワハラといった、
職場での人間関係に関する問題がクローズアップされている昨今。
中でも、職場での嫌がらせ行為である“パワハラ”は、
被害者がうつ病を発症したり自殺してしまったり…と、
かなり深刻な事態になるケースも少なくありません。

 

新聞やテレビでも話題になることが多くなったこの問題。
ともすれば、さしたる根拠もなく
「パワハラの発生件数はこの数年で急激に増加している」
と思われがちです。
しかし、実際のところパワハラの被害件数は増えているのでしょうか?

 

こういった問題を考える際に便利なのが、統計です。
統計とは、簡単に言うと「現象を数字で把握する」ということ。
単に言葉だけで「増えた」「減った」と判断するのではなく、
アンケート調査などを実施することによって
「○年前よりも△%増えた」
「全体の■割がパワハラを経験している」
という具合に“数字”で物事を判断しようとする方法です。

 

統計という方法を採用することで、曖昧だった物事を
より明確に把握できるようになるというメリットがあります。

 

統計を利用することで、社会現象や自然現象、経済現象、政治現象…、
この社会のありとあらゆる現象を理解しやすくなるのです。

パワハラ被害は増えているの?

パワハラの被害件数は本当に増えているのでしょうか?
さっそく、統計データを利用して検証してみましょう。

 

参考になるのは、「NPO法人労働相談センター」という団体がまとめた統計。
2009年の3月〜5>月に行った統計調査によれば、
職場でのパワハラに関する相談は、
全相談件数11.9%⇒13.4%⇒16.6%と、
右肩上がりに増えていたのだそうです。

 

また、ある統計調査では、
「職場でパワハラが発生したことがある」
「時折発生している」という企業が全体の43%を占めたのだとか!

 

この統計が本当だとすれば、約5割の会社にパワハラが存在することになります。

 

また、パワハラを受けた社員の8割以上が
精神的ストレスを感じていることも明らかになっています。

 

これらの統計調査が示すように、
パワハラ被害の件数はここ数年で実際に増えているんですね。

パワハラは百害あって一利なし!

各種統計調査によれば、近年パワハラの件数は増加しており、
被害者の約3割が離職や休職に追い込まれているのだとか。

 

しかし、害を被るのはパワハラを受けた人ばかりではありません。

 

パワハラ事件を一件出しただけで会社のイメージはガタ落ち!
連鎖的に退職者が増加し、一方で入社を希望する人は激減。
社員の士気も下がって業績も低迷し、社外的評価はますます低くなります。

 

さらに、パワハラ被害者の訴訟による裁判費用も負担しなければなりませんし、
損害賠償請求を受けることも…。

 

そう!会社自体が被る損害もかなりの額になるのです。

 

まさに、パワハラは誰にとっても百害あって一利なし!
普段から、会社一丸となって
パワハラを予防する職場環境づくりに取り組むべきです。

 

そのためには、統計データの活用が効果的!
管理者は、
「自社の社員がパワハラについてどう考えているのか」
「この会社にパワハラはあるのかないのか」
といったことを統計的にまとめ、常に実態を把握する姿勢が求められます。