パワハラ110番

調査研究が暴くパワハラの実態

「超競争社会」とも表現される現代社会。
競争に勝ち抜くために、各企業は仕事の進め方や
組織の在り方の変化を強いられてきました。

 

その弊害が如実に表れたのが雇用環境や処遇。
そしてその影響は、就労者のライフスタイルや価値観にも波及してきました。

 

結果として、職場でのストレスは倍増!格差問題や職場不適応など、
企業責任者にとっては頭の痛い問題が浮かび上がる現状となっています。

 

そんな中、企業内のイジメである「パワハラ」も深刻な問題に…。

 

中央労働災害防止協会が2005年に実施した
「パワーハラスメントの実態に関する調査研究報告書」では、
約40%の企業で「パワハラが発生している」「過去にパワハラが発生したことがある」
…という認識があるという実態が明らかとなったそうです。

 

問題は、これらの企業の80%以上が、
「パワハラを受けた社員にメンタルヘルス上の問題が生じている」
…と回答したこと。
昨今では、パワハラが原因で精神疾患を発症してしまったり、
パワハラを苦に自殺に追い込まれたり…といったケースも少なくないのです。
(参照:http://www.jisha.or.jp/

年齢が上がるほどパワハラ被害者が多いという実態

中央労働災害防止協会をはじめ、各種調査機関が
パワハラに関する実態調査を行っています。
これらの結果から、以下のようなパワハラの実態が明らかとなっています。

 

・調査を受けた企業の約40%が「職場にパワハラがある」と答えている

 

・「パワハラを受けたことがある」と回答する人は、
  年齢が上がるにつれて増加傾向⇒50代が最多

 

・最も多いケースは、上司から部下へのパワハラ

 

・パワハラを受けた・パワハラをしてしまった理由の多くは、
「仕事のパフォーマンス」に関するもの

 

 

…パワハラの実態調査から見えてくる特徴の一つが、
パワハラの被害者・加害者の間に“認識の違い”があるということ。
被害者側は、パワハラの原因として
「上司の性格・気性」を挙げるケースが多いようですが、
対する加害者の方は「部下のパフォーマンスの低さ」を挙げる人が多いようなのです。

 

この実態から分かることは、パワハラを受ける側は
「自分には非がない」と思っているのに対して、加害者側は
「仕事ができないから指導しているだけ。自分の行為は間違っていない」
…と認識している点。

 

そもそもパワハラの判断基準は、
「その行為を受けた相手がどう受け止めたか」
「どう感じたか」

 

普段から語調がキツイ方やついつい言い過ぎてしまうという方は
注意が必要かもしれませんね!

職場でこんな光景、目にしませんか?

パワハラに関する実態調査を受けた約半数近くの企業が
「うちの会社にもパワハラがある」と回答している中、
「パワハラって具体的にはどういうものなの?」と、
いまいちピンとこない方もいるかもしれませんね。

 

そんな方のために、パワハラの実態を紹介しましょう。
例えばこんなやり取り、あなたの会社にはありませんか?

 

 

・「こういうことは事前に相談しろ!」 と怒鳴られる

 

・「そんな話までいちいち俺にもってくるな。
  そんなこと自分で考えろ!」 と罵声を浴びせられる

 

・「今はそれどころじゃないんだ!相手の状態をみて声をかけろ!」
 …いつ相談してもこの調子

 

・「だから三流大卒には任せられないんだ!」と、学歴差別をする

 

・「おいデブ!のろのろしてないで早く資料を持ってこい」
  …と身体のコンプレックスを持ち出す

 

・何を話しかけても無視される

 

・「知ったような顔をするな。でしゃばるな!」
 …提案はことごとく全否定

 

 

…報告しても相談しても怒られ、提案は全否定。
皆の前で人格を踏みにじるような罵倒を繰り返す。
こんな状況が毎日続けているなんて、まるで地雷が埋まった戦場を
素足で歩き回っているようなものです。
これでは、神経もすり減ってしまうでしょう。

 

職場では当たり前のようになっている上司の言動も、
「実はパワハラだった!」という可能性は十分あり得るのです。